賄いが人気になった「豆腐ラーメン」
中華料理店の賄いからご当地グルメとして大人気になった「豆腐ラーメン」
埼玉にはご当地グルメとして有名な「豆腐ラーメン」というラーメンがあります。
「豆腐ラーメン?麻婆豆腐ラーメンのこと?」と思ってしまいそうですが、麻婆豆腐のようにピリ辛ではありません。
「豆腐ラーメン」という名にふさわしいラーメンです。
埼玉県には県のB-1グランプリともいうべき「埼玉B級ご当地グルメ王」という大会があるのですが、その第2回と第4回大会で豆腐ラーメンは優勝、第3回大会も準優勝という輝かしい実績を誇っています。
今では、豆腐ラーメンのカップラーメンまであるほど、埼玉以外の人たちにも徐々に知られつつある存在です。
豆腐ラーメンを実際に見てみればわかるように、その見た目はまさに「豆腐ラーメン」です。
ラーメンの中にたくさんの豆腐が浮かんでおり、その上に中華餡がかかっています。
味は店によって違いますが、基本的にマイルドな味わいで毎日でも食べられるほどです。
ラーメンというと、カロリーや塩分の多い食事の代表のように言われることもありますが、豆腐たっぷりの豆腐ラーメンは、優しい味で健康にもおすすめです。
この豆腐ラーメン、発祥を辿ると昭和45年にさかのぼります。
今も岩槻城址公園内のさいたま市民会館いわつきにある「レストラン大手門」が発祥の店で、当時この店に勤めていたコックが賄いとして食べていたのが始まりでした。
一コック考案の賄いメニューでしたが、社長に見込まれて正式にメニューとして採用されると、たちまちお客さんの人気を集めたそうです。
その後レストラン大手門のコックたちが独立すると、それぞれ独自の豆腐ラーメンを出すようになり、今のように埼玉のご当地グルメの代表になるまで幅広く知られるようになったのでした。
豆腐ラーメンを食べるならこのお店
豆腐ラーメンといえば、やはり発祥の店である「レストラン大手門」を外せません。
中太ちぢれ麺に鶏ガラのさっぱりした味が絡み、何杯でも食べられるほど箸が進みます。
お値段も630円と財布に優しいです。
かつてレストラン大手門のコックとして豆腐ラーメンを考案したコックは、現在は独立し別の店を構えています。
それがさいたま市桜区田島にある「幸楊」です。
もともと豆腐ラーメンを作った人が今でも作っていますので、ここで食べるのが元祖の味と言ってよいでしょう。
レストラン大手門よりも少しピリ辛で、麺は中細のちぢれ麺を採用しています。
あっさりマイルドな味ですが、他にも隠し味があるのか深みのある味わいです。
もう1店、レストラン大手門から独立したコックが始めた「とうふらぁめん蘭蘭」という店も、豆腐ラーメンのおいしい店として人気を集めています。
麺は中太麺で、スープは醤油ベースのあっさり味です。