盆栽の聖地
日本の伝統を楽しめる「町」
日本の伝統的な芸術品として海外からも高い評価を受けている盆栽は、小さな鉢の中なのに自然がギュッと凝縮された美しさを感じられて、素晴らしい趣味と認識されています。
かつては高齢者の楽しみとして認識されていた盆栽ですが、最近は若い女性の方が楽しむ趣味として人気が再燃しており、多くの人が楽しんでいます。
あまりご存知がない方も多いのですが、実は埼玉県には盆栽の聖地ともされる場所として存在しているのが、さいたま市北区には盆栽町です。
全国各地から盆栽愛好家が訪れて楽しむ大盆栽まつりも開催されています。
盆栽町誕生の歴史
盆栽町の歴史は盆栽業者がこの場所に移り住んだ大正時代に遡ります。
かつてこの場所は草むらが広がる山林地帯だったそうです。
大正時代に発生した関東大震災の影響で被災してしまった盆栽業者が、盆栽を行うために最適な場所として選んだのがこの地で、複数の盆栽業者や盆栽の愛好家が移住したことで徐々に賑やかになったそうです。
その後に勃発した第二次世界大戦の時には、盆栽は贅沢なものだと言われたことで衰退した時期もありましたが、戦後には再び盆栽の素晴らしさが認められたことで賑わいを取り戻し、海外からもたくさんの観光客が訪れるようになりました。
現在は盆栽園が5軒存在しており、特色がある盆栽を楽しませてくれます。
季節によって異なる盆栽の美しさに魅了される方が多く、訪れた人の心を和ませてくれます。
この中の九霞園は、昭和9年に開設された盆栽園で、世界初となるエゾマツの取り木を成功させた実績があります。
昭和9年に今上天皇のご誕生を祝し、君が代松と呼ばれている五葉松を献上したことでも知られています。
それぞれの盆栽園で異なる楽しみ方があるので、ぜひ時間の許す限りゆっくりとご覧になってください。
大盆栽まつり
毎年5月3日から5日に開催されている、全国各地から盆栽の愛好家が集うイベントとして人気があります。
国内でも珍しいほどの素晴らしい盆栽園が集っている場所だからこそ実現できるイベントとして注目されています。
素晴らしい盆栽の数々が展示されており、多くの人の目を楽しませてくれます。
市民が丹精込めて育てた自慢の盆栽を展示するコーナーや、即売会なども行われており、イベント期間の3日間をかけてゆっくり楽しみたいイベントになります。
もう一つの楽しみ方として注目されているのが、盆栽に関する内容をテーマにした川柳コンテストも実施されています。
たくさんの作品から優秀な作品として選出されると、盆栽などの豪華な景品がプレゼントされています。
毎回たくさんの方が参加しており、素晴らしい作品が誕生しています。
ぜひお気軽に参加をして本場の盆栽をゲットしてみてはいかがでしょうか。