競進社模範蚕室
競進社模範蚕室の特徴
競進社模範蚕室とは、埼玉県本庄市にある有形文化財に指定される歴史的建造物です。
その名前からもわかるように、本庄で有名な「競進社」に関する資料や、養蚕業の資料が多数陳列されています。
競進社の創設者である木村九蔵が1884年に建造した木造建築物です。
競進社とは、明治時代の養蚕業が盛んなころに、その技術を改良し広く普及させることを目的に設立された組織です。
競進社模範蚕室はその競進社が作った施設であり、簡単に言うと蚕を飼育するための建物になります。
「模範蚕室」という名前のとおり、ここでの養蚕が他の養蚕業者の模範となることを目指して設立されました。
今も競進社模範蚕室の建物の前には、創設者である木村九蔵の像があります。
ちなみに、本庄市児玉町には児玉柏陽高校がありますが、この学校ももともとは木村九蔵が作った競進社養蚕学校でした。
明治時代に開校した歴史ある学校です。
競進社模範蚕室のおすすめポイント
有形文化財に指定されているように、競進社模範蚕室はその建物自体が一見の価値ある貴重な存在です。
明治時代の姿をそのまま現代に伝えています。
また、内部には養蚕についての資料が多数展示されているほか、今も蚕棚など養蚕に使用されたさまざまな設備や器具が設置されています。
というより、建物自体が養蚕のために設計されており、たとえば直射日光を遮るための二重障子や、空気の循環のための高窓、湿度調節のための床下の炉など見どころたっぷりです。
なお、建物内を見学するだけでなく、ボランティアによるガイドを頼むこともできます。
ガイドの利用には事前の申し込みが必要ですが、本庄の歴史や基幹産業である養蚕について詳しく説明してくれることでしょう。
興味のある方はぜひ利用してみてください。
蚕の飼い方から絹糸の取り方まで、実際に使われていた設備や器具を見ながら詳しく学ぶことができます。
ちなみに、競進社模範蚕室を訪れた方には、同じく本庄市内にある旧本庄商業銀行煉瓦倉庫も見どころたっぷりのおすすめスポットです。
こちらは「本庄レンガ倉庫」の愛称で親しまれており、かつては繭の保管倉庫として地域の産業を支えていました。
競進社模範蚕室へのアクセス
競進社模範蚕室は本庄市児玉町にあります。
電車なら最寄り駅はJR八高線の児玉駅です。
駅から競進社模範蚕室まで約200メートルと歩いてすぐそこですので、住宅街の中にありますが迷うことなく到着できるでしょう。
また、お車でお越しの方のために駐車場も完備されています。
こちらは大型バスも駐車可能な広大なスペースを備え、休憩所として利用できる東屋やトイレなども清潔に保たれています。
ドライブがてら訪れるのにもおすすめです。